当法人の理事を務めていただいており、障がい福祉分野の第一線で活躍してこられた草原比呂志氏を講師にお招きし、「老齢期の支援について」というテーマで職員研修を行っていただきました。

 この研修は、昨年9月に開催されたAutism Caravans主催「あちこちセミナーinえひめ・今治」に参加し、草原先生のお話しに感銘を受けた職員が、この講演内容を「全職員で聴きたい!職員皆で共有したい!」と熱望して実現しました。お忙しい中、依頼に快諾いただいた草原先生、ありがとうございました。

 老齢期にさしかかった障がいをお持ちの当事者の方、またそのご家族の抱える葛藤や問題を、事例の紹介とともに伝えていただきました。介護保険の適用やご本人の状況が変わったときなどには、グループホームも安住の地にはならないこと、看取りの場所、看取りの支援の研修が足りていないことなど地域生活においての問題点について、また、どのライフステージにおいても、障がい特性に沿った支援が続く大切さと、ご本人のニーズと向き合い、人として尊重されることの大切さについてお話いただきました。

~職員感想より~

・その人らしい老齢期の過ごし方や終末期のお話しを聞き、人生の最後をその人らしく迎えるために今の支援環境や医療・福祉の体制を整えておかないといけないと強く感じました。

・老齢期の支援について勉強させていただき、改めて日々の支援の在り方や、老齢期を考えた支援、ご本人様やご家族の方にも安心していただける支援の大切さを学ぶことができました。また、障がい福祉の制度や現状について良いところや様々な問題点等を分かりやすく勉強させていただきました。

・老齢期の支援についてお伺いし、縛られたり薬漬けの支援はして欲しくない。本人が好きな活動を、介護・医療の支援という名で奪わないで欲しいという内容が強く印象に残りました。

・老齢期の国の制度や利用者さんが今後どのように生活していくか、保護者の方のニーズも併せて知ることができました。初めてお聴きしたときはなるほどと思いましたが、今回再度お聴きし、現状の厳しさに心が痛くなりました。成長を期待したり、できることを増やすのではなく、今後の生活スタイルに合わせて何が必要なのか絞って支援していくことの大切さを感じました。

・普段何気なくしていること、言っていることが、利用者の方をイヤな気持ちにさせてしまうこともある。一度自分に置き換えて支援を考えていこうと思いました。

また、ご家族の方とご本人のニーズを上手くすり合わせて楽しい利用をして欲しいし、ご本人の「したいこと」を奪わないようにもしたいと感じました。

・今自分は何ができるのかを再度考えさせられ、支援する中で、ご本人や家族さんのニーズを聴き、楽しい利用をして欲しい、ご本人の自由を奪うような支援をしないようにと改めて思いました。

・死の直前までスケジュールを気にされていたお話を聞き、スケジュールの重要さを改めて感じました。普段のあたりまえの生活ができない入所施設を利用している女性のお話に涙が止まりませんでした。

・利用者の方ためと思ってしている行動も、個々に感じ方、生き方が違い、縛り付けてしまっているのかもしれない。だから、いろいろな考え方を持たなくてはいけないと思いました。その方にとって何が大切か、何を求めているかを感じ、理解し、行動できる人になりたいと思いました。